大車輪BLOGthai kick murph「DELTAATTACK」リリースによせて

thai kick murph「DELTAATTACK」リリースによせて

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thai kick murph 「DELTAATTACK」
release : 2011/7/20
price : \1.890 (tax in)


1. タイキックオリンピック
2. プチャ
3. ファウスト
4. ネオネオホンコン
5. アルキメデス
6. ヨウセイ
7. ワルツ
8. ハロ
9. メタルケバブ
10. アイランド


PV : アイランド


thai kick muprhの2ndアルバムがリリースされる。
その名も「DELTAATTACK」。
「A」と「T」が2個ずつつながっているところがいいね。

でも4人なのにデルタアタック。

タイキックの人間性と音楽性が現れてるタイトルだ。
一見キャッチーだけど、でも「あれ?うん?」っていうところが。

彼らの楽曲は、僕の思うポップが詰め込まれている。
しかし、よくよく聞くと部分的にださかったり、
突拍子もないことをねじ込んできたりする。

キャッチーさが際立つ中に、
そういう引っかかりを入れたまま投げてくるバンドである。
彼ら自身おかしさに気づいても放っておいてる。
そして僕の懐にうっかり入り込んでくる。
まったくたちが悪い。

しかし気づくと「しょうがねえヤツらだなあ」
と言って笑って、喜んで受け入れている。
ワクワク感も伴わせながら。


彼らは楽曲製作ペースがお世辞にも早いとは言えない。
2009年のolympiaリリースから、ゼロから作られた新曲は片手の指で余るほどだ。
ではDELAATTACKに同じものが沢山入ってるのかと問われると、そうではない。

既存曲にその時々のthai kick murphのトレンドを取り入れ、
あるいは年齢、日常を反映させ、大きく変貌させているのだ。

例えば「タイキックオリンピック」の変化。
ファンの間ではおなじみの「パラッパッパッパー」が、
今作では「たらったったったー」になっている。

これは「もう、パラッパとか恥ずかしくていえない」
という自我の変化へ素直に従った結果だと僕は勝手に解釈している。
楽曲がバンドメンバーと同じく年齢を重ねたのだ。
そういうのってすごく素敵だと思うなあ。


DELAATTACKはバンドキャリアとして初の流通盤。
リリースのことを聞いたのは、確か去年の秋だった。

タイミング的にノリにノっている時期ではなく、
むしろワジマが脱退して4人になってから、
「地道なライブ活動」としか言いようのない動きをしていた。

でも確かに動きは地味だったけど、
この頃演奏し始めた新曲が僕はとても好きだった。
今まであったどの曲よりも、しっかりと歌ものだった。
勢いや変化球に任せない彼らそのもの。

“どこまで行けるか?”とリフレインされる歌詞は、
環境が変わった彼ら自身に問いかけているような気もしたし、
曲の世界観は外国のおとぎ話のようである。
今作では「アイランド」として10曲目に収録されており、
アルバムを締めくくっている。


録音は、the morningsやFar Franceなども手掛けたGOK SOUND。
上に挙げた2バンドの作品で好きなのは
キックの図太さと、弦の鳴りをダイレクトに捉えているところ。

thai kick muprhは趣向が違うからどうだろうと思ったけど、
土台はしっかりとさせつつも実験的なサウンドになっており、
相性はかなり良いと思う。

録音された当時のメンバー最大限の力と、
それをキャッチして発信するのに文句のない環境で作られたアルバム。

沢山の人に届けばいいし、
彼らも全国へ届けるだけのことはしてきた。
マイペースながらも。
(無理に追い詰めて良くなるバンドではない)

それとレコーディングの時期を境に、
演奏に対する意識が分かりやすいほど変わった。
勢いでドバーッとやってそれがカッコよくなるバンドもいるけど、
自分たちは違うんじゃないかと切り替わったように思う。

多分まだ試行錯誤しているんだろうな。
最近見に行ってないから、あまり大きな声で言えないけれど(ごめんなさい)
「良いライブしてるよ!」ということは耳に入ってきてます。


最後に、DELTAATTACKの感想やら耳に残った部分を書きます。
全曲解説ではないです。一部抜粋。

・「プチャ」
 ミヤオヨウのボーカルの抑揚。フトシマルのキックの配置。
 ラスト、この歌声じゃなければ盛り上がれない尺の盛り上がりポイント。

・「ネオネオホンコン」
 アニメソングのような雰囲気を際立たせるウッチーのギター全般。
 このBPMに耐えつつコーラスやりつつもメロディアスなえっちゃんのベースライン。

・「アルキメデス」
 僕はこの曲に、ある種の青臭さを感じる。でもティーンを過ぎた青臭さ。
 えっちゃんのコーラスがとても好きです。

・「ヨウセイ」
 中盤のテンポがズレまくってるのを、
 居残り給食のようにそのままにされてしまったウッチーのギター。

・「メタルケバブ」
 いじらしいミヤオヨウのボーカル(と、それを分かってる録音状態)。
 タイトルのことを思いながら聴けば聴くほど感じる、曲自体の意味のわからなさ。

・「アイランド」
 メロディーがしっかりとセンターに据わったアレンジ。
 淡々とした序盤の流れから、白い光へ導かれるように壮大になるラスト。


ああ、夏に出るっていうのもいいな。

彼らも、彼らを見る僕もこれで終わりではないから、
この記事に「これこれ、こういうことなんです!」
という落とし所はありません。

リリース、わくわくするね。

この思いを過剰に伝えたかったのです。

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